今日に至るまで
「シャリーア」は、今日に至るまで社会正義の理念を規制する法的部分と宗教的・倫理的規範を融合したものとなっています。
さらにこの中身を見ますと、そこには宗教的行為全般にわたる「儀礼的規範(イバーダート)」と、現代の民法や刑法などの実定法に相当する「法的規範(ムアーマラート)」に大別され、その内容にしたがって以下のように分類されています。
(1)信条神・天使・啓典・預言者・来世・天命の「六信」を奉持ること。
(2)道徳律「コーラン」、伝承に命じられている誠実、神への帰依、謙譲、脱俗、満足、寛大、忍耐などの道徳上の諸徳。
(3)勤行信仰告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼の「五行」、および聖戦。
(4)和解事項結婚、離婚、親子関係、相続、奴隷、自由人、契約、売買、誓言・証言、寄進財産、訴訟・裁判など、人と人との関係全般に関する規定。
(5)刑罰「コーラン」および伝承に規定された刑罰(盗みに対する片手切断の刑、背教に対する死刑、飲酒に対する80回の答刑)などです。
わたしたちの社会で法と言えば、普通は「実定法」を意味しますが、イスラムにおける法の源は人間ではなく一神教のアッラーであり、イスラムには「立方府の存在する余地は原則的にはない」わけです。
したがってこの法は、いつの時代、どんな社会においても普遍的妥当性と実効性を持つ絶対的な規範として君臨しています(ただし、実際にこの「シャリーア」が適用されるのはムスリムに限られます)。